🦊物語絵📕456(シノゴロク)
《幻燈祭〜ツヴァイ烏の年〜》
(アクリルガッシュ/2015年制作)
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むかし むかし。
この森の ずっと ずっと 高いところ。
ふたつの ときのかけらが
ことり ゆらりと ただよっていました。
リンドウの道がひらくあいだだけ
ふたつは 烏のかたちで
ふわっと ラッタッタ森におり
小さな息を ひとふき、ふたふき。
ひとつは、クサビ。
ひとつは、ハナビ。
花のいのちが終わると
ふたたび 空へかえり、
クサビは ふかい 闇の影となり。
夜空に くるりと
ひとすじの わっかを描きました。
ハナビがあつめた 星のかけらたちは
からん ころん くるん
と ゆかいに 舞い。
だれも気づかないまま
月夜は すこしだけ
ふくらんで
また しぼんでいきました。
それが
幻燈祭 ツヴァイ烏の年の
夜のすがたでした。
(おしまい)
《幻燈祭〜ソメル貝の年〜01》
(CG/2014年制作)
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むかしむかし。
森の奥が深く眠りについたころ。
遠くの者がひっそりと家を出ます。
足音はわずか、影のように歩み、
ひとつひとつの呼吸が時を刻みます。
一歩一歩が繋がる光の道。
月明かりに照らされた道の奥から、
ちいさい火の子たちのささやき声が。
風に揺れながら、はじける光の糸。
まっくら森が豊かにゆれて、
ヒカリの糸で夜を包み込みます。
いちと にと さん。
にと さんと いち。
まるくなって ちいさくなって、
はじまりに。
いちと にと さん。
にと さんと いち。
まるくなって おおきくなって、
おしまいに。
時の糸 きらり。
火の子は 踊れ。
輪になり 歌え。
ラッタッタ
ラッタッタ
すべてが まあるく
ひとつに かさなる
風が吹いたら、
ラッタッタ
光が踊れば
ラッタッタ
揺れる灯りが ラッタッタ ラッタッタ
すべてが まあるく
ひとつに あわさる
まあるく あわさった その 中心には
とても大きな 不思議な形のソメル貝がありました。
ちょうど月が真上に上った頃、ひとつの「チリン」と、鈴の音が。
その合図とともに、貝の二つの合わせがそっと開きました。
その開いたソメル貝の空いた扉に、
ひとり、またひとりと火の子たちが飛び込んで行きました。
あんなに明るく賑やかだった森は、
だんだん、だんだん暗くなり、
やがて、あたりは真っ暗。
深い海の底のような静けさとなりました。
みんな飲み込むと、
ソメル貝は口をギュッと閉じ、
ごろりと体をひとゆらし、
勢いよく大きく夜空へジャンプしました。
ソメル貝は月夜を覆い、暗闇までも飲み込み始めました。
その体はみるみる大きく膨らみ、
次第に天まで届く程になると
固く閉じた二つの扉の隙間から一筋の光のリボンが。
夜の森に集まったものたちは、そのリボンを手繰り寄せ、
みんなで一斉に引っ張りました。
いち、にと、さんっ!
その時です。
ソメル貝はフワーッと大きく花びらの息を吹きました。
今度はあたり一面が美しい色とりどりのお花畑になったのです。
《幻燈祭〜ソメル貝の年〜02》
(CG/2014年制作)
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※AI画像生成で作ったジオラマ
《なまず遣いのカタクリ》
(透明水彩/2019年制作)
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編集中
《ラッタッタ森のサソリの火》
(アクリルガッシュ・キャンバス/2015年制作)
編集中
《月夜の船出》
日本画絵具/2019年制作
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編集中
《鷺杜》
(透明水彩/2016年制作)
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編集中
《マッチの気持ち》
(透明水彩/2016年制作)
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ぼくが、暗闇を照らす、 明かりになるよ。
ただし、 真っ黒焦げは、ごめんだよ。
《地底人》
(アクリルガッシュ/2014年制作)
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地底人は旅人を待っています
プレゼントも用意しました
Vo.2《夜の散歩》
(色鉛筆/2016年制作)
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Vol.6《蛍職人ムササビのびゃん》
(インク/2019年制作)
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編集中
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